最近、関心が高まっている「心理的安全性」という言葉。
似て非なる言葉で「心理的資本」という言葉があるのをご存知ですか?
新しい概念なのですが、
最近筆者はこの心理的資本に関する仕事に携わっています。
今日はこの心理的資本について簡単に解説してみます。
〇心理的資本とその背景
変化の激しいこの時代に生きる私たちは
会社や他者に頼ることなく
自らの志を明確にし、
自ら行動することが求められています。
自分自身が自らのリーダー(セルフリーダー)なのです。
このような環境でセルフリーダーシップを発揮するには
安定して動いてくれ、
状況に応じてカスタマイズできるエンジンが必要です。
そのエンジンが心理的資本なのです。
(心理的資本は開発ができます)
心理的資本とは
個人のポジティブな心理的エネルギーを指し
積極的な行動や自律的な目標達成を促す原動力なのです。
〇心理的資本、4つの要素”HERO”
この心理的資本には次の4つの要素があります。
ホープ(Hope:意志とその経路)
目標を達成しようとする意志の力と
そのための道筋を描き、行動推進する
エフィカシー(Efficacy:自信と信頼)
挑戦を成功させるために
必要な努力ができる自信。自分への信頼。
レジリエンス(Resilience:立ち直り乗り越える)
困難や障害、失敗や挫折を経験しても
立ち直り乗り越える
オプティミズム(Optimism)
過去、現在や未来に対して肯定的・客観的にとらえ
柔軟に良い方向にとらえる
英語の頭の文字を取って「HERO」ヒーローと呼ばれます。
みんなが内に持っているHEROに活躍してもらおう
というメタファー(たとえ)がよく使われます。
〇心理的資本と心理的安全性の関係
では最近盛んに言われている
「心理的安全性」とはどう違うのでしょうか?
心理的資本は「個人の資質」についての考えです。
一方の心理的安全性は「能力を発揮できる環境や関係性」
について触れています。
「個人」と「環境・関係性」という違いがあるのですね。
どちらか一方があればよいのではなく
互いに影響しあっていると考えられます。
一朝一夕で実現できるほど簡単ではありませんが、
人が定着する・育つ、強い組織をつくるには
この両方が必要だと私は考えています。
みなさまの話のネタやヒントになれば幸いです。