人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

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すれ違う企業と社員の副業

副業はバラ色ではなかった!?


定期的に副業の行く先を観察しております。
渦中の今だから感じることがあると考えてのことです。
先日メルマガにも書いたのですが、
副業を導入した企業は増えた者のなかなかうまく稼働していません。

1月21日付の日経新聞では
「バラ色ではなかった副業」という記事がありました。
読まれましたか?

 

 

副業が増えた要因

記事の中に興味深いデータが
引用されていました。
企業が副業を導入した理由は、
社員のスキル向上と
エンゲージメント、
モチベーションの向上など。
自社にとって何らかの還元を期待しています。

 

一方の副業をしている社員側は
収入を増やしたいことが最大の理由。
そこに自社の存在はありません。

また求人と求職のミスマッチ
(求人案件が求職者に比べて少ない)など
いくつかのすれ違いがあることがわかってきたようです。

副業している人の実際は・・・

私自身もこれまで副業がうまくいかないケースを多数見てきました。
ここだから書いてしまいますが、
以前から副業志望の方から
「仕事ないですか?」と相談いただいていたのです。

私としては良い方であれば紹介するのは全く問題ないんです。
春と秋の繁忙期にはご依頼いただいたお客様と日程が合わず
やむなくお仕事をお断りすることがありますので、
その際に助けてもらえるならむしろ大助かり。

じゃあ何ができるかお話聞かせてくださいね
とか
場合によっては私のコンテンツお分けしますよ
とお話させてもらうのですが、
その先に進まないのです。

やりとりしていて、
そりゃあうまくいかないだろう、と思う展開になるんです。

 

副業したくてもできない理由

話が進展しない、
つまり副業に踏み出したいのにうまくいかない方々に
共通していると感じたことをあげてみます。

フリーランスでやっていけるほど、スキルが確立できていない。

副業であろうと本業であろうと
お客さんにとってはどうでもいいことです。
ちゃんと仕事してくれたらそれでいいのです。
要は「仕事」「ビジネス」ちゃんとやってね、ということです。

 

会社は副業する行為は認めてくれますが、
そのビジネスのサポートまではしてくれません。
本業であればスキル不足を会社が補足してくれるケースはあるでしょう。
しかし、副業のスキル不足までサポートしてられないですよね。
当たり前です。

 

組織の中で仕事をするというのは、
結局のところ組織の中で互いにフォローしあっているのです。
副業はその組織を離れて仕事をするのですから、
高い専門性と
ある程度自分で仕事を完結できるスキルが必要です。

〇スキルはあるが、PRができない、言語化できていない。

これは私自身もまだまだ未熟だと感じている部分です。
自分自身に何ができるのか、
そのスキルや能力を発揮することで
相手にどんなメリットを提供できるのか、
それをわかりやすく伝える必要があります。

マーケティングや営業力といってもいいかもしれませんが、
もっとその手前の段階です。
初めて会う人に「何の専門家」「何ができるか」
を端的にわかりやすく伝えることができるか。

これは世の中がどんどん細分化・高度化していくのにあわせて
場合によってはこちらも表現の仕方を変えていく必要があるので
本当に悩みどころです。

〇勝手に仕事の領域や時間の線引きをしている。

これ、本当に多いんです。
「〇曜日はできません」
「〇時は無理です」
「これだけやって、いくらになるんですか?」


いや、わかるんですけども、
あなたの動ける時間はお客さん、休みですよ?
あなたは副業でも相手はそれが本業なので、
「副業だから」は通用しないんですけど。

それから、報酬の話は大事なところなのですけど、
これから踏み出そうという領域では初心者、
新入社員と同じなので、あまり高額を期待されても・・・・。
お金は大事だけど、その前に仕事の質について話しませんか?
といったことが最初に出てきて
話が進まないことがほとんどです。

 

私の視点は少し厳しいでしょうか。



副業の課題


企業の外に出て仕事を取ってこようとなると
次のような新たな課題が出てくるのだろうと考えてます。

 

1.売りとなるスキルを一層磨く

会社の看板を外して仕事を取るのならば、
ちょっとやそっと得意なレベルでは難しいのです。
そのスキルを提供することで
相手にどんなメリットがあるのか
ちゃんと説明できるくらいには高めておく。
当たり前だと思うのですが、
なんとなく自分は大丈夫と考えている方が多いのです。


2.スキルを「売る」ための方法が必要となる

これは実は私自身が独立した際に直面したことです。
副業に限らず、フリーランスで仕事をする人にも共通の課題のはずです。

私自身は自分のコンテンツについては自信があったのですが、
「売る」ための方法論や手段を持っていませんでした。
わかっているつもりでしたが、
いざ独立してみたら通用しなかったのです。
初年度、2年目は苦労しました。

思わぬことで道が拓けたのですが、
今思えばツイてただけかもしれません。
その後自分のスキルを売るために何をすべきか
改めて方法論を学び始めました。
マーケティング、プロモーションの領域です。

専門家に任せるという手もありますが、
任せるにしてもある程度知識が必要です。
世の中も市場もお客さんも変わっていくので
ずっと学び続ける必要があると考えています。

 


以上、副業についての定期考察でした。

みなさまのお仕事のヒントや話のネタになれば幸いです。