人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

人材と組織育成の問題解決に役立つ知識や情報を発信中。

今週の気づき:基礎力習得には3年かかる?

そろそろ新人研修がスタートしています。
みなさん緊張した面持ちで、
でもどこか新しい世界への期待もあって。
出会う全ての人に活躍してほしい、
それぞれのよさを発揮してほしい。
心の底からそう願いながら毎年接しています。

最近は仕事をする上での専門知識と同じくらい
「基礎力」が大事であること、
その基礎力を培うにはある程度の期間が必要であることをお伝えしています。

基礎力とは経済産業省が2006年に提唱した働くための力です。
12の能力要素から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力i」とされています。
具体的には次のとおりです。

前に踏み出す力:指示待ちではなく、自分のこととして物事をとらえ自ら行動する。

  • 主体性(物事に進んで取り組む力)
  • 働きかけ力(他人に働きかけ巻き込む力)
  • 実行力(目的を設定し確実に行動する力)

 

考え抜く力:自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力

  • 課題発見力(現状を分析し目的や課題を明らかにする力)
  • 計画力(課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力)
  • 創造力(新しい価値を生み出す力)

 

チームで働く力:多様な人々とのつながりや協働を生み出す力

  • 発信力(自分の意見をわかりやすく伝える力)
  • 傾聴力(相手の意見を丁寧に聴く力)
  • 柔軟性(意見の違いや相手の立場を理解する力)
  • 情況把握力(自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力)
  • 規律性(社会のルールや人との約束を守る力)
  • ストレスコントロール力(ストレスの発生源に対応する力)

(上記、経済産業省のHPより)

いずれも専門性を発揮するために必要だとされていますが、
学校では習わないものばかりです。
上記のような力を習得するにはある程度の「期間」が必要だと私は考えています。
なぜなら、知識を学んだとしても「実践」「経験」し、
トライ&エラーを通してしか身につかないものだと考えているのです。
では、どのくらいの期間が必要でしょうか?

おそらく入社して1年目は仕事を覚え、環境になじむのが精いっぱい。
2年目にようやく仕事の質を高めることを意識し始めて、
仕事に基礎力的なことを展開し始めるのではないでしょうか。
失敗や他者からの学びを経て、3年目が終わる頃に
半分くらい習得できていたら上出来。
・・・となると、「石の上にも3年」とはよく言ったものだと感心します。

ここのところ、20代の方は「転職」がデフォルトになってきているように感じています。
職場で嫌なことがあってもなくても「転職」するということです。
「今の職場に不満はないけれど、ステップアップのために転職する」
という選択肢が出てきています。
今後若手人材の流動化が一層進むと予測できます。
私自身、転職を経験していますので、
転職に反論するつもりはありません。
ただ、転職のタイミングはよく考える必要があります。
この基礎力ができていないのに転職しても活躍はできません。
「ムード」やあいまいな「クチコミ」に流されることなく、
しっかりと自分の能力・やりたいこと・市場のニーズを見極めてほしいとの想いから入社時に基礎力についてお伝えしています。


***1 week diary ****
月曜日 祝日でお休み

火曜日 打ち合わせ・勉強会

水曜日 クライアント先訪問

木曜日&金曜日 新入社員研修2DAYS

土曜日 昼・夜と勉強会

日曜日 5月に出版する書籍の原稿チェック