人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

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コロナの影響、人材育成・OJTはどうなるのか?

一向に出口が見えないコロナ。

今日は、コロナが働き方・さらに人材育成に与えた影響を考えます。

<コロナが企業に与えた影響>


日本の働き方改革は、コロナの影響で一気に様変わりしました。
もう悠長なことは言ってられない。
待ったなしで真剣に取り組まないと働く人たちの健康を守れない。
対策をしていない・しない企業は世間からの評価も下がってしまいます。
就職活動中の学生の行動にも変化がみられているようです。
都会よりも地方を重視する、
感染対策をしっかりしている企業に就職したい、
webでのセミナーや面接をしている企業に好感を持つ・・・など。
もうコロナへの対策なしでは、既存の人材を失ってしまう。
更に新しい人を雇うことも難しい、そんな状況なのです。

この状況はもちろん私たちの仕事・人生に対する価値観にも変化を与えています。
たとえば、私の周りだけでもこんな声が聞こえました。

・通勤時間を本当に無意味だと思う
・人とのつながりの大切さに気付いた
・家事・育児をもっとやろうと思った
・都会に住むことの意味がなくなった
・オフィスがなくても案外仕事ができる
・これまで惰性で仕事をしていた
・今までの仕事は何だったんだろうと疑問に思う
・プライベートの時間が増えて、かえってよかった

多くの人がテレワークに慣れ、上手に使うようになってきました。もうストレスでいっぱいの通勤は嫌だと考えるようになりました。
仕事の生産性や意味について本気で考える人もでてきています。企業としてはこの状態に目をつぶってはいけません。今なんとかしのげているとしても、コロナはなくなったわけではありません。これから先もっと酷いことになるかもしれない。仮にコロナが収束しても、第二・第三のウィルスが出てきてもおかしくないのです。その時にどうするのか?
今、ここで本気で会社の未来・仕事の価値を考えて変わらないともう後はないのです。

参考:新しい生活様式についてHP上で書いています。

phronesis-m.com

 

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<人材育成面での影響~OJTができない!?~>

 

では、今人材育成ではどのようなことが起きているでしょうか?
この4月以降、こんなことが起きていました。

・入社式ができない
・従来の集合型研修ができない
OJTができない
・リモートワークが増えて、社員同士顔を合わせることが減った
・コミュニケーションが減った

 

研修については、Zoomなどのオンラインツールでの研修が一気に増えました。
オンラインツールを使って入社式を開催した企業があれば、
オンラインツールに疑問を抱いたまま、何も対策をしないまま時間が過ぎている企業もあります。
オンラインツールに対する疑問は、よく理解できます。
私も当初は、仕事にいったいどれだけ使えるのか?と思っていました。
でも、もうそれを言ってても何の役にも立たない状況にきています。
会議や営業でオンラインツールを使う企業も増えています。
それぞれに一長一短がありますので、特徴を踏まえて上手に使い分けをすることが成功のコツです。

さて、研修。
最近では集合型とオンラインの混在研修が導入されつつある状況で、研修講師にはこれまでとは異なるコミュニケーションスキル・ファシリテーションスキルが求められています。
とは言いつつ、研修・会議については、新しいツールの活用でどちらの企業もなんとか乗り越えることができています。

では、OJTはどうでしょうか?
人材育成において最も困っていらっしゃるのがOJTだと思います。

密接に人と人が集まれない、
指導したくても目の前に相手がいないわけですから・・・。

でも、これを嘆いていても仕方ないですね。
私は以前から企業の業務改善について指導をさせていただいています。
何年も前からお伝えしていたのが、
「離れていても学習できる方法を考えてください」ということです。
いくらでも手段はあります。

・マニュアルをつくる/改訂する
・ある手順だけ手引書(ガイド)をつくる(マニュアルをつくるのは大変でも手引書くらいならすぐできるはず)
・チェックリストをつくる
・ベテランやハイパフォーマーの仕事の様子を録画しておき、視聴する
・ロールプレイングをする(録画してチェックしてもらう)

また近頃では、こういった状況を解決するためのサービスやアプリが各社からリリースされています。企業によってはお試し期間も設定されています。
いい機会なので、利用してみるのもいいと思います。
ただ、丸投げはできません。
どのようなOJTが行われていて、どんな風に社員を育てたいのか、
社員が育つためのファクターは何なのか
どんな能力・スキルを持たせるべきか、
などは導入する企業側がしっかりと考えなければ失敗します。

OJTにおいてこれまでと違う方法ができないと考えている方は、上記の下線部についての答えがない・またはめんどくさくて言語化していないだけだと私は考えてます。
コロナは人のいろんな側面を白日の下にさらすような気がして時々ぞっとします。
本音・能力・スキル・価値観・本質・・・。
私ごとですが、次々と仕事が飛んだ4月は眠れない夜を何度も過ごしました。
その時に自問自答したことがあります。
「世の中に必要とされていない仕事はこのまま当たり前のようになくなっていく。
私の仕事も例外ではない。これまでのお客さんが価値を感じてくれていないとしたら、消えても仕方ない。
では、私は?私は自分の仕事を価値がないと思っているのか?」

答えは否でした。

「価値があると考えているのであれば、その価値を伝えなければいけない。
価値を届ける媒体が変わったにすぎないので、違う媒体に乗せればいいだけだ。」

という結論にいたってからは、必死で新しい媒体についての勉強を始めました。

少し話が逸れましたが、OJTも一緒ではないかと思うんです。
意味のない形骸化したOJTも多くありました。
それならこの機会にやめてしまい、新しい方法を考えればいいのです。
幸いツールはたくさんある世の中です。
少し工夫して、アンテナを広げたら、自社の風土や業種にあったものが見つかるはずです。

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<ピンチはチャンス、災い転じて福となす>

今多くのリーダーが世の中のあまりの激変ぶりについていけなくなったり、
思考停止状態に陥っています。
気持ちはわかります。
でも、コロナを災いと考えていても何も変わりません。
ほんの少し視点を変えたら、これはチャンスなんです。
穏やかな時には変えることそのものに多大なエネルギーを必要として、変化を起こすのはとても大変な作業です。そもそも人は変化を嫌う生き物なのです。
しかし、このコロナは「外圧」のようなものです。多くの人は変化を肯定的に受け止めるしかないのです。
これまでの不平・不満を一気に理想の状態へと持っていくまたとないチャンスだと考えて、新しい変化をつくってみませんか?

☆最後に少しだけ宣伝を・・・。
少数ですがOJTアウトソーシングを請け負う企業も存在しています。
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