人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

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マネジメントの実践。いつ始めるのか?

組織の中で仕事をする上で知らない・興味ない・・・ではすまないのが、「マネジメント」。
言葉くらいは知っているし、だいたいの意味もわかる。
というのがほとんどの若手の方だと思います。
(中堅・ベテラン層の方でも同じような認識でしょうか。汗)

私は20代半ばまでそんな感じでした。
コンサル会社に転職してから、何にも知らなかったことに気づきました。
「マネジメント ≠ 管理」ということを知り、驚愕しました。
「マネジメントとは様々な経営資源を配分・管理し、効果を最大化する手法」
あれ、管理とはずいぶん印象が違う。
さらにドラッカーを読んで、感動しました。
日本語で「管理」と言ってしまうと無機質で冷たい印象を持っていましたが、
ドラッカーの本の中でマネジメントは、とても情熱があって個性を発揮できるもの、
人が心血注ぐに値するもの・・・・と感じられました。(あくまでも私見)
management という言葉が日本に入ってきた当時、
該当する日本語がなくて「管理」という言葉を無理やりあてはめたんだなと推察しています。
(つまり、新しい概念だったということです。)
それまで一応一部上場の企業で5年半仕事をしてたんですが、
マネジメントについてちゃんと教えてもらった記憶がありません。
業務改善を求められることは多かったのですが、いつも手探りでした。
ああ~、こんなこと、もっと早くに知っていたら!!とがっくりきました。
私の場合はコンサル会社で仕事をするために定義を学ばないとどうにもならなかったので、書籍や各種勉強会などで知識を習得しました。

自分自身のそんな経験や、クライアント様とのおつきあいを通じて、
ずっと疑問に思ってることがあります。

マネジメントが大事なのはわかる。
マネージャーやリーダーというポジションについたら、
組織をちゃんとマネジメントして引っ張っていくことが大事なのもわかる。
じゃあ一体、いつ・どこで学ぶんだ!?

ある日「来月からあなたはチームリーダーです。がんばってね。」と言われて、
明日からできるわけはないでしょう。
あるいは「来月からリーダーなので、リーダー研修受けてくださいね。」
研修受けたからって、すぐできるようにもならないでしょう。
後者については私自身が研修講師を務めることが多く、
その経験から言って、一過性の研修で得られる効果は限定的です。

じゃあ、どうするの!?
いったいいつからマネジメント知識を使い始めるの?

それは、マネージャーやリーダーのポジションにつくずっと前から。

ずっと前っていつ?

自分自身の仕事をひととおり覚えるころから。
先輩や上司の指示がなくても日常業務を自分自身でオペレーションできるようになったら、トレーニングを始めるべきだと考えています。
まずは、自分自身の仕事をマネジメントするのです。
これをロウワ―・マネジメント(Lower Management)といいます。
シンプルに言うと、「段取り力」です。

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自分自身の日々の仕事をちゃんと回せない人に、
その上位レベルの仕事など回せるわけがないですよね。
繰り返しますが、
ある日突然マネジメントができる日が訪れる・・・なんてことはないのです。
だからまずは個人レベルでできることがあれば、そこから手をつける。

①1日・1週間・1ヶ月等の期間を定め、何かテーマを設けて仕事を計画する。(P)
②計画したとおりに進める。(D)
③計画どおりかどうか、確認する。(C)
④次の計画に結果を反映させる。(A)

テーマは「納期を守る」「いつも3時間かかる仕事を2時間半で仕上げる」「会議で発言する」など、簡単なことでいいから自分の仕事で試してみるのです。
業務改善でも働き方改革でもリーダーシップ育成でも、
まずは「個人レベル」のことからスタートしてみる。
小さく始め、継続することで、どんどんレベルアップしていくことが可能なんです。
小さいスタートって、始める時の心理的負担も費用もあまりかからないので、おススメですよ。