人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

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スキルも陳腐化する

先日のクローズアップ現代の特集。
「50代でも遅くない!中年転職最前線」
というのを偶然見てしまいました。

なんとなくTVをつけていたら始まったのですが・・・。
始まった途端、私はツッこんでいました。
「当たり前だ。遅いわけないだろう。
50代・60代になってからの転職なんて周りにいくらでもいるよ。」
そんな私のツッコミなど関係なく特集は進んでいきましたが。

結構多くの方が無理だと思ってることに驚きました。
無理だと思うから動かないんですね。
特集は、こんな風に進んでいきました。

・ミドルエイジの人材を採用する企業が増えている
・おじさん層が転職先で力を発揮するには「ポータブルスキル」を磨くこと、同化しない「新しい視線」を活かすこと。
・とはいうもののある程度リスクもあるので、自分が何をなしとげたいのかをよく考える必要がある。


ポータブルスキルとは、業種や業態関係なしにどんな仕事をしていても活かせるスキルのことです。
大きく専門的なスキルとヒューマンスキルと言われるものに分かれます。
専門的なスキルは、例えば語学(英語や中国語、スペイン語など)や会計や法律の知識など。
一方のヒューマンスキルは、マネジメント・コミュニケーション・プレゼンテーション・問題解決・交渉・ファシリテーション等々。
コミュニケーションスキルは、聴く・話す・読む・書く・人間関係構築力等、細かくあげるとまだまだ出てきます。
専門知識や技術を活かすには、このヒューマン・スキルと言われるものが非常に大事です。
新卒であろうと、
中間管理職であろうと、
経営トップであろうとこれがなければ、仕事はできません。
(ちなみに私はこのヒューマン・スキルの育成を専門領域として仕事をしています。)
クローズアップ現代ではこのポータブル・スキルについて触れる程度だったので、またツッこんでたんですが。

ポータブル・スキルについての説明があんまりちゃんとされてなかったのが残念でした。
そもそもポータブル・スキルにはどういうものがあるのか、
どうやってポータブル・スキルを磨くのか。
そこはいいのかしら・・・と思ったので、ポータブル・スキルの要素をあげておきます。

一般社団法人人材サービス産業協議会が作成したものを少しだけ修正しています。
ポータブル・スキルについては、厚生労働省のHPにかなり詳しく出ていますので、そちらを参照されてもいいと思います。

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なんのことはない、マネジメント・スキルや問題解決力、
仕事で関わる人たちとの関係構築力を分解したものだといえます。

ただ、この「分解」が大事なのです。
マネジメント・スキルっていっても抽象的、
関係構築って言葉もわかるようなわからないような。
抽象的な言葉を細分化して、具体的なものにしていく作業はとても大事です。
でないと、行動できませんから。

それはさておき。
タイトルの「陳腐化」です。
上記のポータブル・スキル、これは平成29年の今求められているスキルです。
私達を取り巻く環境が日々変わっていく中で、求められるスキルも変わっていきます。
そこをよく考えて、スキルをアップデートしていく必要があります。
たとえば、課題を明らかにすることが大事とありますが、
もうしばらくすれば、機械が課題を明らかにしてくれるかもしれない。
機械にデータを入れて、分析してもらう・・・その精度があがっていけば、私達が関与するプロセスは減って、もっと高度なことを求められるかもしれない。
(もっと高度なこと、おそらくそれは「新しいものをつくる」だと思います。)
だから、よく状況を見て聞いておいた方がいいな、と最近つくづく思うのです。
LIFE SHIFT読んでからは特にですね。