人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

人材と組織育成の問題解決に役立つ知識や情報を発信中。

100年という時間をどうとらえるか。

日本では昨年出版された「LIFE SHIFT」。
遅くなりましたが、ちょうど今読み始めたところです。
ぼんやりとそうではないか、と思ってたことが色々データで裏付けされていて、興味深く読んでいます。
400ページ以上あるのですが、ベストセラーになるのも納得です。
ちょうど今著者のリンダ・グラットンさんが来日しているようです。

気になる本の内容は。。。
先進国はじめほとんどの国での平均寿命は右肩上がりで伸びている。
これまで人生を80年と思っていたが、100年生きると考えた方がよいだろう。
じゃあ、20年増えたその時間はどうする?
という問題提起です。
これまでのライフステージの概念「教育・仕事・引退」で人生を過ごすと、引退後の時間があまりに長すぎる。
そろそろ横並びの歩き方をやめて、より多様な生き方・キャリアの構築をした方がよいでしょう・・・・。
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わかる、全部そのとおり。
ほんとにそのとおり。
100年を生きると考えると、60歳で引退した後の過ごし方を考える必要がある。
引退後に普通の生活を続けていくだけの資金を確保するのは難しい。
それなら、引退後を見据えて働き方や人とのかかわり方、資産の考え方も変えて、
マルチステージ型でとらえてはどうか・・・。

いろんな考えが頭に浮かびながら、読んでいる最中です。
こういう働き方を進めていくとなると、朝9時から夜の5時(実際はなかなかそんな職場はありませんが)と毎日決まった時間束される働き方は無理が出てくるし、ワークシェアリングをもっと進める必要がある。
何より仕事のデザインを大幅に変更しなければ。
変更というよりも新たにつくる、くらいの大胆な考え方の方がいいですね。
仕事をする場所をオフィスに限定せずに、必要な時にどこででもできるように環境を整える必要も出てきます。
(もしかするとコワーキングオフィスが今よりもっと便利になって、数が増えるかも。)
そんな働き方をするのであれば、家族の理解と協力が必要となる。
家族の在り方がかわる。
男女の役割も変わる。

そうなればいいな・・・という希望といった生やさしいものではなく、
このように移行しないと「人」から活力がなくなってしまう、と既にリタイヤした方やリタイヤが近づいている方を見ていて思うのです。
・・・変われるだろうか。日本人と日本の企業は。
気持ちはあっても、体制が追い付かない気がします。

一方で、案外そう遠くない段階で実現するかもという気もしています。
この本の中に書かれていることって、労働人口が減っていて働き手確保のために専業主婦も定年を迎えた人もとにかく働き手として引っ張り出したい、という国の意向にも一致しているのです。
ということは、キャリアを多様化できるように会社の制度を変えなさい!というお達しが出るかもしれないなあ、と予測しています。

・・・なんてこと思ってたら、「人生100年時代構想会議」なんてプロジェクトが始まってるんですね。
リンダ氏はその会議に招へいされたそうです。
同時に知ったのですが、人づくり革命担当大臣というポストも設置されたそう。
会議の今後の進展によっては、働き方改革にもいろいろ関連してきそうです。