人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

人材と組織育成の問題解決に役立つ知識や情報を発信中。

今こそ、フィードバック。

8月もそろそろ終わり。早いですね。
数年前からコンサルティングや人材育成に携わる方々と話をしていて、「フィードバック」の重要性を実感しています。
どんな時に実感するかといいますと・・・

・最近の若手はすぐ心が折れる(辞めてしまう)から、叱りにくいんです。
パワハラとかブラックと言われるのが怖くて。。。
・褒めると伸びると言われても、ほめづらくて。


最近のニュースを見ていても、本当に広く皆さんに知っていただきたいと思うような出来事が多いです。。。
ああ、フィードバックがうまくできたら、そこはうまくいくのになあ、と。
叱る・ほめるから脱却して、一歩進んだ人材育成ができるのに。
ということで、ここ最近は機会を見つけてはフィードバックについてお伝えしております。

「フィードバック」という言葉、「結果を返す」という意味で使われることが多いと思いますが、心理学・教育学においては「相手の成長を目的として行う情報提供。結果を参考にして行動や反応をより良いものに修正していく仕組み」となります。
違いにお気づきでしょうか?

まず、「相手の成長のために行う」という前提があります。
ということは、フィードバックをする人は「何がどうなったら成長といえるのか」を自分の中で(あるいは組織内で)明確にしておく必要があります。
これを面倒に感じる方もいらっしゃいますが、
そもそも成長のレベルが曖昧な状態で相手に成長しろ、というのは少々身勝手な気がします。
組織の力を維持・向上させるためには、いつまでにどのくらいのレベルに達してほしいか、明確にしておくことが必要です。
そうでないと人材の採用もいきあたりばったりになりますし、適材適所の配置も難しいですよね。
成長レベルを明確にしておくことで、曖昧な精神論から離れることも可能です。
(精神論を否定するわけではないのです。
精神論で動く人と動かない人がいるのだから、
それを嘆くのではなくわかっているなら対策をしておきましょうよ、というのが私の提案です。)
またレベルがわかっていると、人は自分でそれを確認することができます。
「ああ、これができるようになった!」と自分でモチベーションを上げることにも役立ちます。

それから、「結果(事実)を参考に」します。
フィードバックにおける「肝」だと考えています。
相手が行動した「結果」を伝えるわけです。
例えば・・・

・目標に到達した/到達しなかった
・プレゼンが採用された/されなかった
・納期を守った/守れなかった(守らなかった)
・顧客から評価が高い/評価が低い
・正確な仕事をした/ミスがあった 等々

どれも「客観的な事実」に基づいてスタートするわけです。
育成担当者の感情や私見は必要ありません。
誰から見ても事実ですから、否定のしようがありません。
次へのステップアップのために客観的に現状把握をしてもらうのです。
どうでしょうか、これだけでも育成担当者の方々のストレスを軽減できると思いませんか!?
怒ったり、叱るのって並々ならぬパワーを必要とすると思うのです。
少なくとも私自身はそうです。
怒る・叱るがあった日は、ものすごく疲れます。
相手のためを思っての行為なのに、「傷ついた」「人格を否定された」なんて言われた日にはたまったもんではありません。
ステップアップするのに疲労したり傷つく人が出てくるなんてもったいない。
その先を、未来を考えることに時間と労力を使ってほしいと思います。

ということで、今日は人材育成に効果があるフィードバックがどのようなものかをお伝えしました。
じゃあ、具体的にどうやるの?というお話を次回に書きたいと思います。

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