人材・組織育成コンサルタント知念のブログ

人材と組織育成の問題解決に役立つ知識や情報を発信中。

タイム・マネジメント研修のご案内

昨年好評をいただいたタイム・マネジメント研修のカリキュラムをアップします。


タイム・マネジメント研修

 

ねらい:「働き方実行計画」が発表され、これまで以上に労働生産性の向上・長時間労働の是正・柔軟で働きやすい職場環境の整備への取り組みが求められることになります。企業も働く人もこれまでとは異なる「時間管理」「働き方」が求められています。 本研修では、「個人」の仕事の進め方に焦点をあて以下のような現状分析をします。
 ・日頃どのような時間の使い方をしているのか、
 ・今の仕事はどんな業務から構成されているのか、
 ・それぞれの業務の性質にあった時間を費やしているのか・・・etc.
その後、どんな時間の使い方が理想なのか・実践するには何をするのか、をより具体的に考えていただきます。
タイム・マネジメントというと効率性だけが注目されがちですが、「より良い仕事」「成長」という側面からも考えます。

研修で得られる成果
1.自分自身の時間の使い方・仕事の仕方を把握し、分析ができます。
2.仕事で改善できる領域を探し、実行できる計画を立てます。
3.優先順位のつけかたを学びます。
4.仕事に対するモチベーションを高めます。

カリキュラム

オリエンテーション

1.タイム・マネジメントとは
   1)時間に対するとらえ方
    ①数値と質
   2)マネジメントの基礎知識
    ①マネジメントの概念と範囲
    ②マネジメント・スキル
   3)タイム・マネジメントへのアプローチ
    ①タイム・マネジメントのアプローチと特徴

     ・秩序重視型
     ・自己優先型
     ・目標追求・達成型
     ・ABCアプローチ型
     ・テクノロジー重視型
     ・基本スキル型
     ・自然のリズム重視型

2.タイム・マネジメントの原則①
   ~ 「誰の何の時間か?」を明確にする ~
   1)4つの時間
    ①ゴールとスタート
    ②自分の時間・他人の時間
   2)自分へのアポイントメント
  【実習】ケーススタディ
3. タイム・マネジメントの原則②
  ~ 優先順位を明確にする ~
   1)重要度と緊急度
   2)マトリクスの各領域の特徴と関係
  【実習】時間の使い方セルフチェック

4.タイム・マネジメントの実践
   1)仕事の内容分析
    ①ルーティン型業務とプロジェクト型業務
    ②フローで考える  
  【実習】仕事の棚卸と分析
   2)職場あるある・・・
    ①優先順位を狂わせる「職場あるある」
    ②なぜ遅れるのか?
    ③なぜ「先延ばし」にしてしまうのか?
  【実習】ケーススタディ
   3)突発的な仕事への対策
   4)改善策を考える
  【実習】 アクションプランシート作成
    ①Plan :スタートとゴール/目的/役割/目標/優先順位
    ②Do  :プロセスの工夫/改善
    ③Check:成果の指標

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「フロネシス」の意味

早いもので年が明けて、もう10日経過しました。
なんだか今年は忙しくなりそうな予感がしております。
昨年は働き方改革の動きもあってか、何度か「タイム・マネジメント」に関する研修をさせていただきました。
昨年末に伺った組織では時間についての問題に真剣に取り組んでいらっしゃる方ばかりで、研修中の反応に何度か心打たれました。
より皆さんの実践に役立ててもらえる内容をお伝えしていこう、改めてそう考えています。
フロネシス・マネジメントという事務所を設立した時の気持ちを思い出しました。

「フロネシス」とは哲学的な概念で実践知のことです。

覚えにくい言葉ですね。(笑)

自分自身のメーカー勤務時代の実務経験や
コンサルティングやセミナー等の経験をとおして痛感していることがあります。
それは、壁にぶつかったとき「知識」が私達を助けてくれ、成長させてくれるということ。
更に知識を学んだだけでは十分ではなく、
「実践」して初めて「何か」が変わるということです。

知識が役に立つことは容易に想像がつくけれど、
「実践」なんてこと、少なくとも学校では教えてくれなかった・・・。

そこで組織で働く人々の力になるような知識、
組織マネジメントに活かせる知識を様々な形でわかりやすく提供したい、
そんな想いでスタートしました。
だから、「ナレッジ」「スタディ」ではなく、「フロネシス」なのです。

今年は実践できる知識「フロネシス」をこれまでとは違う方法も交えて、いろんな方法でお伝えしていきます。

2018年、新年のご挨拶。

あけましておめでとうございます。
昨年は多くの方との新しい出会いをいただいたこと、
改めて御礼申し上げます。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
今年もまたたくさんの方に出会えることを心より楽しみにしております。

昨年はリーダー育成やレジリエンス力強化、業務改善というテーマでのご依頼が非常に多い一年でした。
もう少しこの流れは続くように感じています。
中でもリーダー育成については、一定の期間を設けて実施するコンサルティング型研修の効果を改めて実感いたしました。
現場での実践を念頭に置いたコース設計はもちろん、
丁寧なフォローアップでどんどん変化していく方たちと一緒に過ごすのは本当に楽しく刺激的な時間でした。
新しいリーダー達を頼もしい気持ちで見ることができました。
一方レジリエンスについては、新入社員研修や若手人材のフォローアップ研修として取り上げる企業が出てきています。
ビジネスマナー研修や問題解決力などと同じように標準装備と考えられるようになるのだろうと推察しております。
業務改善については働き方改革の流れもあって待ったなし・・・なのですが、その前に制度・法律といった環境整備が先行していて、「仕事」「働く人の仕事に対する考え方」といったところにはまだ課題を残しているところがほとんどです。

一方で個人的に気なるキーワードとして、「組織開発」「健康経営」「ジョブクラフティング」「エンゲージメント」「ホラクラシー」というものがあります。
こういったキーワードを注視していきたいと考えております。
どれも単発でいきなり出てきたのではなく、働き方改革やレジリエンス等最近の組織マネジメントにおける動向と関連があるものばかりです。
またブログで発信してまいります。

今年は働くみなさんを強力にサポートするべく、
これまでとは違う新しい方法で知識や情報をお伝えしていきます。
ひとまず自社開催のセミナーや各種トレーニングコースの開設を現在検討しておりますので、詳細決定次第ご案内いたします。

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皆様にとって2018年がより一層素晴らしい年でありますように。

「働きやすさ」と利益は関係するか?

働きやすい職場が利益を生むのか?という疑問

今朝の日経新聞の一面に「働きやすさ、収益に直結」という記事が大きく出ていました。
日経新聞が上場企業・有力非上場企業602社に対して「働きやすさ」の視点で独自に格付けを行ったものです。
働き方改革が政府主導で打ち出されたものの、
残業規制や賃金の格差解消、非正規雇用者への待遇改善などルールやシステムに関する話題が多く、「どのように働くか」という議論がされていないなあと思っていました。
法律改正には対応しなければいけないけれど、皆さんどこか受け身。
「働きやすい職場をつくったところで、売り上げに結びつくかどうかは疑問だ」
「多様性を尊重する職場というけれど手間暇がかかるし、実際の仕事に支障が・・・」
といった声を多く聞きます。
今日のこの記事は、そんな疑問への1つの答え「働きやすい職場は利益を上げてくれる」を明確に見せてくれたように思います。

ただし、この手の調査は対象となる母集団の選び方や調査の方法に恣意的なものがある場合もあります。
参考資料の一つととらえるのが良いというのが、私の考えです。
日経新聞は今回の格付けを3つの要素で進めています。

・多様で柔軟な働き方の実現(人材活用力)
・新規事業などを生み出す体制
・市場を開拓する力

柔軟な働き方だけではなく、新規事業・市場開拓力の2つの要素を組み合わせている点がポイントで、この3要素で組織のパフォーマンスを引き出す取り組みを「スマートワーク経営」と名付けています。
更に「経営基盤」も加味されています。
純粋に働きやすさだけで評価しているわけではないですね。



「働きやすさ」とは一体何か?

では、働きやすいとは何を指すのでしょうか?
調査の指標を見てみると、次のような項目が上がっていました。

<多様で柔軟な働き方の実現(人材活用力)>
・方針・計画と責任体制
・テクノロジーの導入・活用
ダイバーシティーの推進
・多様で柔軟な働き方の実現
・人材への投資
・エンゲージメント・モチベーションの向上
・人材の確保・定着


イノベーション力>
・方針・計画と責任体制
・テクノロジーの導入・活用
・新事業創出
イノベーションの推進体制
・社外との連携

<市場開拓力>
・方針・計画と責任体制
・テクノロジーの導入・活用
・ブランド力
・市場浸透
・市場拡大

<経営基盤>
・ガバナンス/社会貢献/情報開示を総合的に評価

「エンゲージメント」という言葉が新しいですね。
従業員満足ではなく「エンゲージメント」。
エンゲージメントとは、企業への「愛着」です。
愛着を持つことで、日々の業務に熱心に取り組み、業績向上につながるという概念です。
企業へのエンゲージメントが高い社員が多いと、業績が高くなるとされています。
この視点と経常利益だけで調査・格付けをしてもよかったと思うのですが、
調査主は、
「働きやすい職場がイノベーションを生み、市場開拓を強力に推し進め、利益を上げる」というストーリーを立てたということでしょう。

このような調査結果をどのように活用するかというと、
自社の状況をチェックする、
これから先の改革に項目を使ってみる、
自社で独自の指標を作成する、
といったことが可能です。
私はいつも「自社で独自の指標」をつくることをお薦めしています。
特に今回は調査の対象が上場もしくはそれに匹敵する規模の企業なので、中小規模の企業には使いにくいかもしれません。


女性リーダー育成の壁「リーダーになりたがらない」編

女性リーダー育成に壁を感じている?

「女性リーダーを増やすには」という記事を以前このブログに書きました。
この「女性―リーダーを増やす」というズバリのキーワードで検索して、このブログに来てくださる方が多いようです。
ありがとうございます。
それだけ、「どうすれば女性リーダーを育成できるんだろう?」と悩んでいる方が多いということかもしれません。
以前の記事では、そもそも女性リーダーになる「母集団」が少ないんだから限界があること、母集団を増やすには採用の段階で女性を増やすこと、大企業は中小企業を見習って(中小企業の方が女性が活躍しているので)職務のデザインを見直してはどうか、ということを書きました。

悩んだりお困りになっている状況には2つの段階があると思います。

①女性達がリーダーになりたがらない。
②リーダーに抜擢したものの、成果がわかりにくい。

要は女性リーダー登用のbefoer/afterですね。
今日はこのうちbefore「リーダーになりたがらない」について書いてみます。


リーダーになりたがらない理由。

まずは、こちらから。
この傾向は男性・女性関係ありません。
どちらへ伺っても、「リーダーには向いてません」「人を引っ張るなんて一番自分にはできないことです」と言う方が多いのです。
老若男女問わず、です。
リーダーシップ研修の時にはいつも冒頭でリーダーに対するイメージや自分自身の気持ちを話していただいています。
そこから考察すると、リーダーになりたくない理由には次のようなものがありそうです。

①責任を取りたくない
②自信がない
(女性の場合はライフステージが変わった時のことが特に心配)
③リーダーがいてよかった、と思った経験に乏しい
④あの人みたいになりたいというお手本(ロールモデル)がいない

何度も言いますが、こういった言葉は男女問わず出てきます。
では、こういう理由でリーダーになりたくない人たちとどんな対話をしていけばいいでしょうか?
次にわたしなりの答えを書いていきます。

責任を取りたくない・・・。

もう言語道断ですね。(笑)
でも、残念ながらそういう人材に育ててしまったのです。
勝手に育ったのではありません。
もともとそういう資質はあったかもしれませんが、そう育ててしまったのです。
あるいは、過去に責任を取って酷い目に遭った人たちを見てるからかもしれません。
不安から出ている言葉ですから、
具体的にどんな場面を想像しているのか、
どんな責任を取るのが嫌なのか、をじっくり話し合ってください。
案外漠然とした不安にとらわれていることも多いです。
対策としては、組織の内外を問わずリーダーとして活躍している先輩たちと直接話をする機会をつくってみてください。
不安な気持ちを率直に訴えられるシチュエーションが望ましいです。
ついでに企業風土・業務と権限の体系もチェックしてみてくださいね。
将来のことを考えて、人材育成の方法も点検しておくことをお勧めします。

自信がない・・・。

これはですね、もう圧倒的に「知識」です。
経験がないのは当たり前なんです。
何の知識かというと、「マネジメント」と「リーダーシップ」についての知識です。
もう何度もブログに書いていますが、
いったいいつマネジメントについて学ぶのか!?問題があるわけです。
更に
いつ実践するのか!?問題へとつながるのです。
何のツールも持たずに「はい、じゃがんばってね」「いや、不安です。自信ないです」
当然の展開だと思うんです。
キビ団子を持たない桃太郎・・・とたとえたらいいでしょうか。
(こんな話をしたら、あるご担当者に「最近の20代は桃太郎を知りません」と言われましたが。)

マネジメントの知識についてですが、女性は男性に比べてかなり乏しいです。
なぜか。
職場で誰と一緒に行動しているか、が原因です。
男性は男性同士でランチに行く。
男性の上司と男性の部下で一緒に営業先に行く・取引先に行く・会議に入る・・・。
そこでは日常会話と仕事の会話が交わされます。
少しずつマネジメントに関する私見や見解、経験。情報が伝えられます。
体系だった知識でなくても、なんとなく「こんな感じ」というイメージがつくられていきます。
少なくとも「こういう仕事の仕方(=マネジメント)はよくて、あれはだめなんだなあ」といったものが残っていきます。
一方、女性はどうでしょうか。
女性のリーダーがいる職場では、そういうシーンも見られます。
しかし、女性のリーダーが少ない・いない職場では「個人」を通じて、
マネジメントに関する知識が伝えられることはほぼありません。
日本の企業では長い間、男性が主役だったのでその影響で男女で「知識」の偏在化が起きているのです。
解決策として・・・

リーダーを育成したいなら、その前にまず必要な知識を持たせてあげてください。

そして、リーダーになる前に知識を実践するトライアル期間を設定してください。


それから、サポートしてくれる人がいること(いなければつくってください)を伝えてください。



ライフステージが変わった時(つまり結婚・出産・育児・介護)への不安については、
今政府が取り組んでいる施策がもう少しこなれてきたら、軽減されると私は考えています。
楽観的だという指摘があるかもしれませんが、
これはうまくいくまで試行錯誤が続けられるはずです。


リーダーがいてよかった、と思った経験に乏しい・・・。

今いるリーダーたちの再教育を考えてください。
「部長限界説」をご存知でしょうか?
部長になったから限界を迎えるのではなく、
「ああ、やれやれ、部長になったか。もういいだろう。」
何がもういいのかわかりませんが、
自分で自分はもうピークに達したと決めてしまい、
それ以上成長しないという説です。
成長しないどころか、後退する方もいらっしゃいます。
意外とあちらこちらにそういう方はいらっしゃる気がします。
残念ですが。
リーダーシップ育成研修をしていて、受講生を通して上司の方が透けて見えることがよくあります。
「ああ、いい上司のもとで働いてらっしゃるんだな。」と思うこともあれば、
「これは・・・・(気の毒に)」と思うことがあります。
残念ながら、後者が圧倒的に多いです。
「こういう話、まず自分の上司に知ってほしいんですけど。」
とわざわざ言いにくる方もいらっしゃいます。
「卵が先か、鶏が先か、という話をしてても仕方ないので、
知識を手にした人が変わっていけば、組織は変わる」
とお伝えをしています。
でも、それだけでは弱いんですよね。
そこで、最近では目の前にいる方だけではなく、その向こうの方に働きかける研修・周囲を巻き込む研修プログラムをご提案しています。


あの人みたいになりたいというお手本(ロールモデル)がいない

これまた、困りますね。
男女ともによく聞かれる言葉です。
そもそも女性リーダーが少ない・いないんだから、ロールモデルなんて探す方が難しいです。
そういう場合には、一度リーダーシップの変遷をさかのぼることをお勧めします。
ダイジェストでいいのです。
そうすれば、時代と共にリーダーシップの理想像がコロコロ変わることがわかると思います。
「理想像」はあってもいいけど、あったところで変わっていくし、場合によっては足枷にもなる・・・ということがわかるでしょう。

100人いれば、100とおりのリーダーシップがあっていいんです。


理想像や他人の描いた「こうあるべき」に振り回されて、無理しないこと。


自分の強みを発揮した自分なりのリーダーシップをつくること。


特に女性は、ロールモデルのいない今こそ自由なスタイルがつくれます。
だから、「リーダーになるなら今だよ。誰とも比べられないから。」と言ってあげてください。
多くの方がこの言葉を聞いて、ハッとしたように顔を上げるんです。
ほんとですよ。
ある研修での出来事です。
やはりリーダーになりたくない・・・という女性でしたが、研修の最後にこう言って帰られました。
ロールモデル?必要ありません。私がなります。」
飛びついて抱きしめたくなりました。
(しませんけどね。)

1つ1つ不安要素にちゃんと向き合って働きかけたら、応えてくれるというのが私の考えです。
手間暇かかりますけどね。

女性リーダー育成のための研修プログラムはこちらからご覧いただけます。

phronesis-m.jimdo.com



また人材育成のノウハウをメールセミナー形式でお伝えしています。
概要はこちらでご紹介中です。
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マネジメントについてどうやって学ぶのか?

マネジメントに関する様々な疑問。。。

先日、「マネジメントの実践。いつ始めるのか?」という記事を書きました。
始めるには、マネジメントについて知る必要があります。
そうすると今度はいつ学ぶのか?という疑問が出てきます。
本当にみんないつ知るんでしょう?
もうずっと疑問に思っていることです。
特にここ最近新任リーダー・マネージャーや次期リーダー・マネージャーの方々の育成に携わっていて、ますます疑問が強くなっています。
日常業務を一生懸命こなしてきて昇格したリーダー・マネージャーたち。
ある日突然、こう言われます。
「はい、じゃあこれからはチームや部下のマネジメントしっかりやってね」
これまでマネジメントのことなんか意識もせずに仕事してきて、
いきなりできる人なんかいるのでしょうか。
もちろん、ちゃんと準備して教育されている企業も存在します。
だけど、少ないです。
だから私の仕事があるのですが。
他にもいろいろ疑問に思うことがありまして、私自身の経験をふりかえりつつ考えてみます。


仕事に必要な数字はどうやって学んでいるんだろう?

私の場合・・・少なくとも最初に働いていた職場で教えてもらうことはありませんでした。
一応一部上場の大手企業でしたが、
社員教育などのオフィシャルな場で教えてもらった記憶はないし、
OJTで教えてもらった記憶もありません。
女性だからなのか、一般職だからなのか。
あるいはそれが普通なのか。
事務職から離れて仕入れの仕事をするようになってからは経営指標が必要になったのですが、これがよくわからない。
周りの人に尋ねてもみんな自信なさげ。
仕方ないから、本と新聞で調べていました。
でも、本当に正しいのか確信が持てず頼りない状態でした。
疑問その1「みんな、どうやって仕事に必要な数字のことを学んでいるんだろう?」


何故知識格差が起こるんだろう?

コンサルティング会社に転職した時のこと。
前職と違っていたのは、マネジメントに関するコンテンツがざくざくあること。
仕事上の会話、顧客とのやりとり、社内の勉強会、書籍、資料、etc...
社内中に転がっている感じで驚きました。
ある所にはあるんだ・・・。
どこかで遮断されてる。
そんな気がしました。
同時に自分がいかにマネジメントのことを知らないか、を知らされました。
上司の指示にもついていけないし、
社外のお客様との会話も困るので勉強しました。
疑問その2「知っている人と知らない人のこの知識格差はなぜ起こるんだろう?」

マネジメントの知識をいつ学ぶのか?

コンサルタントや企業研修を請け負うようになってからのことは冒頭に書いたとおりです。
これまで日常業務に一生懸命取り組んできて昇格したある日を境に「マネジメント、よろしくね」と言われる新任リーダーやマネージャーのみなさん。
「今までマネジメントのこと、あんまり考えたことがありません。」
「言葉は知っていても、何をしたらいいのか実はわからないんです。」
という方がどれだけ多いか。
知識や実践する機会がないまま、いきなりやりなさいってよほど相手を信頼しているのか、それとも無計画なのか・・・。
これでは管理者になるのを敬遠する人が増えるのも当然だと思うんですよ。
なじみのないマネジメントという言葉更にそれを実践しろって、よほどのチャレンジャーでないとハードル高く感じると思うんです。
疑問その3「マネジメントについていつ学ぶのか?」
そして、先日書いた「マネジメントの実践はいつから始めるのか?」

「マネジメントの実践はいつから始めるのか?」の中で書いたように、
やはり早い段階での教育・スタートがリーダー・マネージャーを育ててくれます。
これが私の解答です。
先月・今月と新人フォローアップ研修をしていて、つくづく感じました。
新人のみなさん、仕事に必要な知識をぐいぐい吸収されますよ。
特に今の時期は知識を欲している方が多いです。
とにかく早めに学んでもらうこと。
そしてできるところから実践すること。
これに尽きます。

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どうやってマネジメントの教育をすればいいかお悩みでしたら、ご相談ください。
(最後の一文は宣伝でした。たまにはね。)

「ビジネス読書の会」

「ビジネス読書の会(略称:ビジ読)」という活動をスタートさせます。
みんなの「働く力」を育てるために、
みんながもっと仕事を楽しむために、
仕事をしていて出てくる「悩み」や「迷い」や「問題」を解決するために、

私にできることは何だろう・・・とずっと考えていました。
それで働く力向上委員会をつくろうとかいろいろ構想はあったのですが、
もう少しわかりやすいところで、ビジネス書を読もう!と思います。

ビジネス書は山ほどあります。
いつまでも手元に置いておきたいものと、
残念ながらイマイチなものがあります。
安くないのに・・・。
ですから、私が読んだビジネス書の中から良いなと思ったものに限定して紹介します。一緒に読みます。
大事なのは読みながら、どうやってその本の内容を自分に応用するかと考えることです。
なので、読んだ後、感想を皆で話し合いたいと思います。
話の流れで補足すべき知識があれば、お伝えします。

今現在、facebookの中で非公開で記事をあげています。
人数がある程度増えてきたところで、読書会や勉強会を開催いたします。
参加をご希望の方は、次の手順で希望する旨をお知らせください。
非公開グループですので少々面倒くさいのですが、FB内の当方のサイト

「人と組織を育てる」

からメッセージをお送りください。
FBに参加していない方が参加しやすい方法を検討中です。
追ってご案内しますが、それまでは本ブログ上でもご紹介してまいります。

フォローアップ研修でした。

今日は新入社員研修フォローアップ研修でした。
ご参加くださったみなさま、お疲れ様でした。

フォローアップ研修では、いつもついつい欲張ってしまいます。
「あれも伝えたい、これも伝えたい」
という気持ちが強くて、盛りだくさんになってしまうのです。
特に今回は伝えておきたい、知っておいてほしい、と思うことが多くて、更にたくさんしゃべってしまったかもしれません。
ここ最近、国が「女性の活躍推進」「働き方改革」、更には「人づくり革命」などの施策を打ち出しています。
今後私達の仕事に影響を与えるものばかりです。
日々の仕事だけを見るのではなく、
少し引いた視点で仕事・組織、キャリアや過去と未来を見つめてほしいと思い、お話させていただきました。
・・・私自身もまだまだ伝え方の研鑽を積む必要があるなと感じつつ、今日を終えた次第です。

さて、研修の冒頭でビジネス書「ライフシフト」の話をしました。
別のコミュニティでもライフシフトの内容についてご紹介しました。
毎回皆さん関心を持ってくださいます。
人(私ですね)を介して本に興味を持ったり、勉強する機会が増えたらいいなあと思い、先日「ビジネス書を読む会(通称ビジ読)」という会を立ち上げました。
仕事がら多くのビジネス書を読んできた私が、色々ご紹介していきます。
当面はFacebookの中で非公開グループとして、記事をアップしています。
人数がある程度増えてきたところで、読書会や勉強会を開催いたします。
参加をご希望の方は、次の手順で希望する旨をお知らせください。
非公開グループですので少々面倒くさいのですが、FB内の当方のサイト

「人と組織を育てる」

からメッセージをお送りください。
FBに参加していない方は、このブログの「読者になる」というボタンを押してください。 ブログ上でもご紹介してまいります。

スキルも陳腐化する

先日のクローズアップ現代の特集。
「50代でも遅くない!中年転職最前線」
というのを偶然見てしまいました。

なんとなくTVをつけていたら始まったのですが・・・。
始まった途端、私はツッこんでいました。
「当たり前だ。遅いわけないだろう。
50代・60代になってからの転職なんて周りにいくらでもいるよ。」
そんな私のツッコミなど関係なく特集は進んでいきましたが。

結構多くの方が無理だと思ってることに驚きました。
無理だと思うから動かないんですね。
特集は、こんな風に進んでいきました。

・ミドルエイジの人材を採用する企業が増えている
・おじさん層が転職先で力を発揮するには「ポータブルスキル」を磨くこと、同化しない「新しい視線」を活かすこと。
・とはいうもののある程度リスクもあるので、自分が何をなしとげたいのかをよく考える必要がある。


ポータブルスキルとは、業種や業態関係なしにどんな仕事をしていても活かせるスキルのことです。
大きく専門的なスキルとヒューマンスキルと言われるものに分かれます。
専門的なスキルは、例えば語学(英語や中国語、スペイン語など)や会計や法律の知識など。
一方のヒューマンスキルは、マネジメント・コミュニケーション・プレゼンテーション・問題解決・交渉・ファシリテーション等々。
コミュニケーションスキルは、聴く・話す・読む・書く・人間関係構築力等、細かくあげるとまだまだ出てきます。
専門知識や技術を活かすには、このヒューマン・スキルと言われるものが非常に大事です。
新卒であろうと、
中間管理職であろうと、
経営トップであろうとこれがなければ、仕事はできません。
(ちなみに私はこのヒューマン・スキルの育成を専門領域として仕事をしています。)
クローズアップ現代ではこのポータブル・スキルについて触れる程度だったので、またツッこんでたんですが。

ポータブル・スキルについての説明があんまりちゃんとされてなかったのが残念でした。
そもそもポータブル・スキルにはどういうものがあるのか、
どうやってポータブル・スキルを磨くのか。
そこはいいのかしら・・・と思ったので、ポータブル・スキルの要素をあげておきます。

一般社団法人人材サービス産業協議会が作成したものを少しだけ修正しています。
ポータブル・スキルについては、厚生労働省のHPにかなり詳しく出ていますので、そちらを参照されてもいいと思います。

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なんのことはない、マネジメント・スキルや問題解決力、
仕事で関わる人たちとの関係構築力を分解したものだといえます。

ただ、この「分解」が大事なのです。
マネジメント・スキルっていっても抽象的、
関係構築って言葉もわかるようなわからないような。
抽象的な言葉を細分化して、具体的なものにしていく作業はとても大事です。
でないと、行動できませんから。

それはさておき。
タイトルの「陳腐化」です。
上記のポータブル・スキル、これは平成29年の今求められているスキルです。
私達を取り巻く環境が日々変わっていく中で、求められるスキルも変わっていきます。
そこをよく考えて、スキルをアップデートしていく必要があります。
たとえば、課題を明らかにすることが大事とありますが、
もうしばらくすれば、機械が課題を明らかにしてくれるかもしれない。
機械にデータを入れて、分析してもらう・・・その精度があがっていけば、私達が関与するプロセスは減って、もっと高度なことを求められるかもしれない。
(もっと高度なこと、おそらくそれは「新しいものをつくる」だと思います。)
だから、よく状況を見て聞いておいた方がいいな、と最近つくづく思うのです。
LIFE SHIFT読んでからは特にですね。

100年という時間をどうとらえるか。

日本では昨年出版された「LIFE SHIFT」。
遅くなりましたが、ちょうど今読み始めたところです。
ぼんやりとそうではないか、と思ってたことが色々データで裏付けされていて、興味深く読んでいます。
400ページ以上あるのですが、ベストセラーになるのも納得です。
ちょうど今著者のリンダ・グラットンさんが来日しているようです。

気になる本の内容は。。。
先進国はじめほとんどの国での平均寿命は右肩上がりで伸びている。
これまで人生を80年と思っていたが、100年生きると考えた方がよいだろう。
じゃあ、20年増えたその時間はどうする?
という問題提起です。
これまでのライフステージの概念「教育・仕事・引退」で人生を過ごすと、引退後の時間があまりに長すぎる。
そろそろ横並びの歩き方をやめて、より多様な生き方・キャリアの構築をした方がよいでしょう・・・・。
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わかる、全部そのとおり。
ほんとにそのとおり。
100年を生きると考えると、60歳で引退した後の過ごし方を考える必要がある。
引退後に普通の生活を続けていくだけの資金を確保するのは難しい。
それなら、引退後を見据えて働き方や人とのかかわり方、資産の考え方も変えて、
マルチステージ型でとらえてはどうか・・・。

いろんな考えが頭に浮かびながら、読んでいる最中です。
こういう働き方を進めていくとなると、朝9時から夜の5時(実際はなかなかそんな職場はありませんが)と毎日決まった時間束される働き方は無理が出てくるし、ワークシェアリングをもっと進める必要がある。
何より仕事のデザインを大幅に変更しなければ。
変更というよりも新たにつくる、くらいの大胆な考え方の方がいいですね。
仕事をする場所をオフィスに限定せずに、必要な時にどこででもできるように環境を整える必要も出てきます。
(もしかするとコワーキングオフィスが今よりもっと便利になって、数が増えるかも。)
そんな働き方をするのであれば、家族の理解と協力が必要となる。
家族の在り方がかわる。
男女の役割も変わる。

そうなればいいな・・・という希望といった生やさしいものではなく、
このように移行しないと「人」から活力がなくなってしまう、と既にリタイヤした方やリタイヤが近づいている方を見ていて思うのです。
・・・変われるだろうか。日本人と日本の企業は。
気持ちはあっても、体制が追い付かない気がします。

一方で、案外そう遠くない段階で実現するかもという気もしています。
この本の中に書かれていることって、労働人口が減っていて働き手確保のために専業主婦も定年を迎えた人もとにかく働き手として引っ張り出したい、という国の意向にも一致しているのです。
ということは、キャリアを多様化できるように会社の制度を変えなさい!というお達しが出るかもしれないなあ、と予測しています。

・・・なんてこと思ってたら、「人生100年時代構想会議」なんてプロジェクトが始まってるんですね。
リンダ氏はその会議に招へいされたそうです。
同時に知ったのですが、人づくり革命担当大臣というポストも設置されたそう。
会議の今後の進展によっては、働き方改革にもいろいろ関連してきそうです。

マネジメントの実践。いつ始めるのか?

組織の中で仕事をする上で知らない・興味ない・・・ではすまないのが、「マネジメント」。
言葉くらいは知っているし、だいたいの意味もわかる。
というのがほとんどの若手の方だと思います。
(中堅・ベテラン層の方でも同じような認識でしょうか。汗)

私は20代半ばまでそんな感じでした。
コンサル会社に転職してから、何にも知らなかったことに気づきました。
「マネジメント ≠ 管理」ということを知り、驚愕しました。
「マネジメントとは様々な経営資源を配分・管理し、効果を最大化する手法」
あれ、管理とはずいぶん印象が違う。
さらにドラッカーを読んで、感動しました。
日本語で「管理」と言ってしまうと無機質で冷たい印象を持っていましたが、
ドラッカーの本の中でマネジメントは、とても情熱があって個性を発揮できるもの、
人が心血注ぐに値するもの・・・・と感じられました。(あくまでも私見)
management という言葉が日本に入ってきた当時、
該当する日本語がなくて「管理」という言葉を無理やりあてはめたんだなと推察しています。
(つまり、新しい概念だったということです。)
それまで一応一部上場の企業で5年半仕事をしてたんですが、
マネジメントについてちゃんと教えてもらった記憶がありません。
業務改善を求められることは多かったのですが、いつも手探りでした。
ああ~、こんなこと、もっと早くに知っていたら!!とがっくりきました。
私の場合はコンサル会社で仕事をするために定義を学ばないとどうにもならなかったので、書籍や各種勉強会などで知識を習得しました。

自分自身のそんな経験や、クライアント様とのおつきあいを通じて、
ずっと疑問に思ってることがあります。

マネジメントが大事なのはわかる。
マネージャーやリーダーというポジションについたら、
組織をちゃんとマネジメントして引っ張っていくことが大事なのもわかる。
じゃあ一体、いつ・どこで学ぶんだ!?

ある日「来月からあなたはチームリーダーです。がんばってね。」と言われて、
明日からできるわけはないでしょう。
あるいは「来月からリーダーなので、リーダー研修受けてくださいね。」
研修受けたからって、すぐできるようにもならないでしょう。
後者については私自身が研修講師を務めることが多く、
その経験から言って、一過性の研修で得られる効果は限定的です。

じゃあ、どうするの!?
いったいいつからマネジメント知識を使い始めるの?

それは、マネージャーやリーダーのポジションにつくずっと前から。

ずっと前っていつ?

自分自身の仕事をひととおり覚えるころから。
先輩や上司の指示がなくても日常業務を自分自身でオペレーションできるようになったら、トレーニングを始めるべきだと考えています。
まずは、自分自身の仕事をマネジメントするのです。
これをロウワ―・マネジメント(Lower Management)といいます。
シンプルに言うと、「段取り力」です。

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自分自身の日々の仕事をちゃんと回せない人に、
その上位レベルの仕事など回せるわけがないですよね。
繰り返しますが、
ある日突然マネジメントができる日が訪れる・・・なんてことはないのです。
だからまずは個人レベルでできることがあれば、そこから手をつける。

①1日・1週間・1ヶ月等の期間を定め、何かテーマを設けて仕事を計画する。(P)
②計画したとおりに進める。(D)
③計画どおりかどうか、確認する。(C)
④次の計画に結果を反映させる。(A)

テーマは「納期を守る」「いつも3時間かかる仕事を2時間半で仕上げる」「会議で発言する」など、簡単なことでいいから自分の仕事で試してみるのです。
業務改善でも働き方改革でもリーダーシップ育成でも、
まずは「個人レベル」のことからスタートしてみる。
小さく始め、継続することで、どんどんレベルアップしていくことが可能なんです。
小さいスタートって、始める時の心理的負担も費用もあまりかからないので、おススメですよ。

女性リーダーを増やすには

先日、平成28年度の雇用均等基本調査結果厚生労働省が定期的に実施)の概要が発表されました。

結果によると、課長職以上の管理職に占める女性の割合は12.1%。
これは、10人以上の企業規模での結果です。

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2020年までに「女性の管理職比率を30%に」という目標の半分にも到達していない・・・。

と書かれた新聞記事を目にしたのですが、私の中では
「・・・当り前だよな。」と。

何故なら、母数が少ないんだから。
つまり、採用の段階で「男性数>女性数」なのです。女性で正社員として働き続ける人が少ない。
中には女性の人数が多い業種・企業もありますが、
ほとんどの企業(特に大企業)は、採用の段階で圧倒的に女性の人数が少ないんです。
平成28年度の雇用均等基本調査結果 には採用時の男女比率が出ているので、そちらを見れば一目瞭然です。

採用時にどんなに性別差をなくせ、と言われてもなくなっていない。
「能力」で採用した結果です、と言われたらそれまでですが、
採用時に暗黙の基準が作用している可能性はありますよね。
結果、こういうスパイラルになっていると思います。

①採用時の男女比率により女性管理職を輩出する「母集団」が小さい
②仕事内容や役割の分担は①の分布(つまり男女のバランス)によって決定される。仕事が男女のバランスでデザインされている。

③母集団はライフイベント(結婚・出産・育児・介護)の到来によって、更に小さくなる傾向がある
④母集団が小さいため、リーダーに適した人材を輩出しにくい
⑤女性リーダーが不在の状態が続く
⑥組織も女性も女性リーダーに不慣れ→当然、外の環境も女性リーダーに慣れていない
⑦慣れてないので、母集団への昇進・昇格への働きかけをしてこなかった

女性管理職を増やすための施策は、②と⑤の段階への働きかけがメイン。
もちろん大事なことです。
ライフイベントを上手に乗り切って、仕事を続けてほしい。
そのために柔軟な就業体制が必要。
それから、とにかく女性リーダーが当たり前になるように数を増やせ・・・と。
そうなんだけど、そもそもなぜ母集団がスタート時から小さいのか。
まず母集団を大きくしないと。

この調査結果、興味深い点があります。
それは企業規模が小さくなるほど女性管理職の比率が高くなること。

企業規模が 5000人以上  6.0%
1000~4999人    4.7%
  300~ 999人   5.3%
  100~ 299人   9.1%
    30~ 99人         14.1%
    10~ 29人         21.7%

 

中小企業で、しかも規模が小さければ小さいほど女性が活躍しているのはなぜか。
それは、女性が普段から大きな戦力になっているという現実があるから。
役職の有無にかかわらず。
データだけでなく、これまでに伺ったクライアント企業を見てても実感します。
業種によって多少の違いはあると思いますが、規模が小さくなる・新しい事業所ほど女性が活躍しているような印象を受けています。
上述したスパイラルの②が中小企業と大企業では異なっているのだと推察します。
慢性的に人手不足な中小企業は、男性が・女性が・・・なんてことを言っていては仕事が回らない。
なので、できる人にできる仕事をやってもらうというスタンスになっています。
そこには性別はありません。
・・・ということを考えると、女性リーダーを増やすには、

・採用段階で女性を増やす
・仕事を再度デザインする

ことが効くと思います。
実際、仕事をデザインし直した大企業は以前から女性リーダーが活躍してらっしゃいますね。

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定年の引き上げから超ベテラン層(高齢者)の「働き方」を考える

公務員の定年が現在の60歳から65歳へと段階的に引き上げられるようです。
民間企業でも同様の動きがありますね。
労働力確保のための対策の一つです。
年金給付開始の年齢も引き上げられているため、
定年後も働きたいというニーズにもマッチしています。

今日の日経新聞では、次のような点を報じています。
1.現行の人事制度のまま定年延長すると公務員の総数が増えて人件費が膨張するので、人件費抑制の対策が必要
2.公務員は定年後に再就職することが多く、この制度が普及した場合優秀な人材を囲い込むことになり、人材流動化に歯止めをかけてしまう
3.民間企業で高齢者が働き続けても収入は下がることが多いので、賃金における格差が広がる懸念がある

私は高齢者とひとくくりにしてしまうのが好きではないので、
ここからは超ベテラン層と呼びたいと思います。
(もう少し気の利いた呼称はないものですかね(-_-;))
ここ数年、超ベテラン層の方々向けの教育プログラム策定の依頼がパラパラ・・・やってきます。

定年延長・再雇用・転職等で超ベテラン層の方の働く機会が増えていることを実感します。
しかも組織にとって大きなパワーになってきていて、
多様な人を受け入れる(受け入れざるを得ない・少子高齢化が進み労働力が減っている)状況になってきているのだなあ、とも思います。

ただやはり、20代や30代の人とは分けて考える必要があると思うのです。
多様性を活かし、組織の力にするために。
超ベテラン層の方々を雇用し組織の力となってもらうためには、
次のポイントに考慮する必要があります。

・仕事をする環境の整備:超ベテラン層の方々は経験や知識は豊富ですが、身体の機能は少し落ちてきています。しかし、たいていの職場のレイアウト、使われる道具・オフィス家具・各種事務機器・備品は働き盛りの世代の方向けのもの。
安全な環境を心がけていても、超ベテラン層の視線に立ってもう一度見直す必要があります。

・職務の再設計:超ベテラン層の方の持っている知識や技術を活かしていただき、なおかつ身体機能の低下が影響しないような職務内容・範囲を定める必要があります。
能力の再開発も効果があります。

・柔軟な就業体制:超ベテラン層といっても、様々な方がいらっしゃいます。30代や40代の方よりも健康で元気だからフルタイムで働きたい人、できたら短時間の仕事にとどめたい人・・・。短時間勤務・フレックスタイム制等、柔軟な就業体制を整えることで対応が可能です。

・モチベーション:よく聞くとっても残念な話があります。
超ベテラン層「組織に残ってもたいしてやることはないし、給料は前よりずいぶん下がったし。ただ職場に毎日行くだけ。むなしい。やる気なんて起きない。」
管理職「再雇用制度で来てもらってるけれど、まったく動いてくれない。こちらが何を言っても、聞く耳持たず。やりにくい。」
上にあげた「職務の再設計」ができていないと、こういう悲しい状況になりがちです。
職務の再設計までいかなくても、知恵や技術の伝承という大事なミッションがあるではないですか!?そのことについて話し合う機会を設けてください、管理職の方があきらめてはだめです、といつもお伝えしています。
卵が先か、鶏が先か、みたいな話をしてても意味ないですよね。
誰かが口火を切らなければ、状況は変わりませんから。
実はこのモチベーションが超ベテラン層の方々にとっても、組織にとっても一番大事なものだと考えています。

・・・ということで、超ベテラン層の方々に組織で力を発揮していただく「働き方」について書いてみました。
経験豊富で若年層よりも柔軟な考え方ができる人材です。
上手に活用できるかどうかは、どのように働いていただくか(つまり、組織がどうデザインするか)がキーになりますね。

今こそ、フィードバック。

8月もそろそろ終わり。早いですね。
数年前からコンサルティングや人材育成に携わる方々と話をしていて、「フィードバック」の重要性を実感しています。
どんな時に実感するかといいますと・・・

・最近の若手はすぐ心が折れる(辞めてしまう)から、叱りにくいんです。
パワハラとかブラックと言われるのが怖くて。。。
・褒めると伸びると言われても、ほめづらくて。


最近のニュースを見ていても、本当に広く皆さんに知っていただきたいと思うような出来事が多いです。。。
ああ、フィードバックがうまくできたら、そこはうまくいくのになあ、と。
叱る・ほめるから脱却して、一歩進んだ人材育成ができるのに。
ということで、ここ最近は機会を見つけてはフィードバックについてお伝えしております。

「フィードバック」という言葉、「結果を返す」という意味で使われることが多いと思いますが、心理学・教育学においては「相手の成長を目的として行う情報提供。結果を参考にして行動や反応をより良いものに修正していく仕組み」となります。
違いにお気づきでしょうか?

まず、「相手の成長のために行う」という前提があります。
ということは、フィードバックをする人は「何がどうなったら成長といえるのか」を自分の中で(あるいは組織内で)明確にしておく必要があります。
これを面倒に感じる方もいらっしゃいますが、
そもそも成長のレベルが曖昧な状態で相手に成長しろ、というのは少々身勝手な気がします。
組織の力を維持・向上させるためには、いつまでにどのくらいのレベルに達してほしいか、明確にしておくことが必要です。
そうでないと人材の採用もいきあたりばったりになりますし、適材適所の配置も難しいですよね。
成長レベルを明確にしておくことで、曖昧な精神論から離れることも可能です。
(精神論を否定するわけではないのです。
精神論で動く人と動かない人がいるのだから、
それを嘆くのではなくわかっているなら対策をしておきましょうよ、というのが私の提案です。)
またレベルがわかっていると、人は自分でそれを確認することができます。
「ああ、これができるようになった!」と自分でモチベーションを上げることにも役立ちます。

それから、「結果(事実)を参考に」します。
フィードバックにおける「肝」だと考えています。
相手が行動した「結果」を伝えるわけです。
例えば・・・

・目標に到達した/到達しなかった
・プレゼンが採用された/されなかった
・納期を守った/守れなかった(守らなかった)
・顧客から評価が高い/評価が低い
・正確な仕事をした/ミスがあった 等々

どれも「客観的な事実」に基づいてスタートするわけです。
育成担当者の感情や私見は必要ありません。
誰から見ても事実ですから、否定のしようがありません。
次へのステップアップのために客観的に現状把握をしてもらうのです。
どうでしょうか、これだけでも育成担当者の方々のストレスを軽減できると思いませんか!?
怒ったり、叱るのって並々ならぬパワーを必要とすると思うのです。
少なくとも私自身はそうです。
怒る・叱るがあった日は、ものすごく疲れます。
相手のためを思っての行為なのに、「傷ついた」「人格を否定された」なんて言われた日にはたまったもんではありません。
ステップアップするのに疲労したり傷つく人が出てくるなんてもったいない。
その先を、未来を考えることに時間と労力を使ってほしいと思います。

ということで、今日は人材育成に効果があるフィードバックがどのようなものかをお伝えしました。
じゃあ、具体的にどうやるの?というお話を次回に書きたいと思います。

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新入社員フォローアップ研修のお知らせ

あっという間に8月になりました。
今年も後半戦に突入ということで、私は早くも焦ってきております。
今年やろうとしていたことの成果がそろそろ出てくれないと困りますので・・・。

さて、毎年10月にりそな総合研究所様にて開催されている「新入社員フォローアップ研修」の受講者募集が始まりました。
私知念が出講しております。
ありがたいことに回を重ねるごとに参加される方が増えています。
10月という入社して半年・・・というタイミングや
多様な方とのディスカッションやワークを通しての気づきが好評なようです。
先日、毎年多くの新人を派遣してくださる企業の人事ご担当者様に話を聞く機会がありました。
ご担当者のお話では、

「帰社してから独自に研修報告書を書かせてるのですが、毎回内容がいいんです。
研修に行く前は出てこなかった言葉が出てきます。
そんなことに気づくことができる人達だったのか。とこちらが驚きます。」

講師冥利に尽きます。
うれしい限りですが、毎回受講者は変わりますので今年も気を引き締めて取り組みます。

入社して半年も経つと、
仕事に慣れてきたんだけど、こんなのでいいの?
働くって・社会人になるってこういうことなの?
こんな風に思うのって、私だけなの?
周りの人には聞けない・・・こんな時、どうしたらいいの?

という疑問やちょっとした迷いが出てくる時期です。
学生時代の友達と話すと、「え~、そうなの。うちってブラックなんじゃ・・・?」
なんて疑問がわいてきたり、
何を聞いても「隣の芝生は青く」見えたりする方もいると思います。
友人に話したところで、あまりに環境が違いすぎてわかってもらえない、
いったい誰に相談すればいいのだろう・・・と1人孤独に思い悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
過去に何度もそういう方が見えました。
研修終了後に切々と悩みを訴えて帰る方も・・・。
中堅・ベテラン社員にはわからない、新人独特の悩みや問題。
それを解決したいと考えて構成しました。

20代前半の頃の自分自身を振り返ると、
仕事が楽しいと思うことが半分、
しんどくてわからなくて仕方ないと思うことが半分でした。
後者の部分を解決する方法をそのころの私は持っていませんでした。
持っていれば、その後のキャリアはまったく違うものになっていたはずです。
(つまり、転職を考えなかった。もっと能力を発揮することを考えていた、ということです。)
ですので、この研修はそのころの自分が知らなかったこと
知ってたら違ってたことをギュウギュウに詰め込んでいます。
そのころの自分に向けて話すような気持ちでいます。

具体的な内容は、

・入社してからのふりかえり
↑単なるふりかえりではありません。そこから何に気づくか・・・がポイントです。
・仕事ができる人達は何をしているのか?
・コミュニケーションとチームワーク
・セルフ・マネジメント 

というものです。

開催日は、10月6日・13日・20日。
いずれも金曜日。
会場は大阪市中央区大阪銀行協会。
詳細はこちら(りそな総研様のHPが開きます)からご覧ください。

受講料は、一般の方で¥31,320、りそな総研会員様は¥23,760です。
講師紹介の場合は、会員様価格が適用されます。
そちらをご希望の方は、主催者様の所定の用紙でのお申し込みが適用条件です。
私の手元に若干枚数ございます。
ご希望の方はこちらから送付先をお知らせください。

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 少々、アツくなってしまいました。